この記事は令和7年1月30日に公開された厚生労働省の「就労選択支援について」の資料を踏まえ、過去の記事を加筆修正してご案内しています。

就労継続支援B型は令和7年10月から、就労継続支援A型は令和9年4月からサービスの利用前にこの「就労選択支援」を利用することが義務化されます。
就労選択支援事業とは
就労選択支援事業とは、働く意欲のある障害のある方等の能力、適性などをアセスメントし、ご本人に合ったサービスの選択やルートを提供することを目的とした事業です。

就労選択支援の事業内容
就労選択支援事業の事業内容は下記の通りです。
①短期間の生産活動等を通じた就労に関する適性等の評価や意向等整理
②多機関連携によるケース会議の開催(本人参加)
③アセスメント結果の作成と、利用者等への情報提供
④利用者への適切な支援に向け、必要に応じた事業所など関係機関との連絡調整

【厚生労働省資料「就労選択支援について~サービスの流れの1ヶ月のイメージ~」より切り抜き】
就労選択支援事業を開設できる事業者
就労選択支援事業を開設できるのは、就労移行支援又は就労継続支援の指定を受けている事業者等で、過去3年以内に3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用されたなどの実績がある、もしくはこれらと同等の就労支援の経験及び実績を有すると都道府県知事(*1)が認めた事業者となります。
なお、同一市区町村内に就労選択支援事業所が存在しない場合は、就労移行支援又は就労継続支援に係る指定障害福祉サービス事業者であって、過去10年間の連続する3年間に3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用され、都道府県知事が認めた事業者となります。
*1 これらと同等と都道府県知事が認めた事業者とは
例えば、障害者就業・生活支援センター事業の受託法人、自治体設置の就労支援センター又は障害者能力開発助成金による障害者能力開発訓練事業を行う機関であって、過去3年以内に3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用された要件を満たすもので都道府県知事が認めた事業者となります。
就労選択支援事業に配置すべき人員
職 種 | 備 考 |
管理者 |
原則として管理業務に従事すること。 (支障がなければ他の職務の兼務可) |
就労選択支援員 (常勤換算15:1) |
就労選択支援員養成研修の修了者であること。
ただし、経過措置として令和9年度末までは、基礎的研修(*1)又は基礎的研修と同等以上の研修(*2)の修了者は、就労選択支援員養成研修を修了していなくても就労選択支援員とみなし配置が可能です。
就労継続支援事業と一体的に運営する場合は兼務も可。
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就労選択支援事業はサービス管理責任者の配置は不要です。 個別支援計画の作成も求められません。 |
*1 基礎的研修とは
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構等が行う「雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修」をいいます。
(これまでの「就業⽀援基礎研修」は令和6年度でもって終了となります)
*2 基礎的研修と同等以上の研修とは
基礎的研修と同等以上の研修については、就業支援基礎研修、職場適応援助者養成研修、サービス管理責任者指導者養成研修専門コース別研修(就労支援コース)をさします。
就労選択支援事業を検討する事業者様は、職員の実務経験年数や研修状況を確認して、配置が可能な職員に必要な研修を早めに受講するよう準備しましょう。
オンラインで受講可能な研修もあります。
就労選択支援養成研修の受講要件
研修受講の要件 ■基礎的研修を修了していること (令和9年度末までは基礎的研修と同等以上の研修修了者でも受講可能です) ■障害者の就労支援分野の勤務実績が通算5年以上あること(*1) |
研修は令和7年6月より国が主体となって開催します。
*1「障害者の就労支援分野の勤務実績」について
直接処遇職員として、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、就労定着支援事業所、障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センターにおいて支援を行った実績がこれにあたります。
(令和9年度末までに基礎的研修又は基礎的研修と同等以上の研修を修了していることを以て就労選択支援員として勤務した実績を含みます。)
就労選択支援事業を利用できる方
就労選択支援事業を利用できる方は下記の通りです。
・令和7年10月以降、新たに就労継続支援B型を利用する意向のある方
・令和9年4月以降、新たに就労継続支援A型を利用する意向がある方及び就労移行支援における標準利用期間を超えて利用する意向のある方
現に就労移行・継続支援利用中の方も利用可能です。
(※障害支援区分は問われません。)
また報酬が重複しない利用形態であれば、市町村がその必要性について適切に判断し、特に必要と認める場合は他のサービスと同一日の利用を妨げません。
例えば、放課後等デイサービスとの同日利用、障害児入所施設との同日利用(同一日併給)は可能です。
逆に、他の日中活動サービスは日額報酬のため、同一日の利用(報酬算定)はできません。
サービスの利用期間
就労選択支援事業を利用できる期間は、原則1ヶ月ですが、2ヶ月利用が認められる場合(例外事由といいます)もあります。
サービスの基本報酬単位
就労選択支援事業の基本報酬の単位は1日につき1,210単位となります。
利用者が負担する費用は、サービス利用料の1割、食事提供を受けた場合はその食費、日用品費となります。
また1月当たりの利用日数は就労移行支援等と同様、原則として各月の日数から8日を控除した日数を限度とします。
【注】下記の事業内容のうち未実施の事項がある場合は、就労選択支援サービスを適切に提供しているとみなされず報酬算定の対象となりません。
①短期間の生産活動等を通じた就労に関する適性等の評価や意向等整理
②多機関連携によるケース会議の開催(本人参加)
③アセスメント結果の作成と、利用者等への情報提供
④利用者への適切な支援に向け、必要に応じた事業所など関係機関との連絡調整
特定事業所集中減算について
正当な理由なく、就労選択支援事業所において前6月間に実施したアセスメントの結果を踏まえて利用者が利用した指定就労移行支援、指定就労継続支援A型又は指定就労継続支援B型のそれぞれの提供総数のうち、同一の事業者によって提供されたものの占める割合が100分の80を超えている場合、特定事業所集中減算の対象となります。
減算の単位:200単位/日
さいごに
令和7年4月以降に、厚生労働省より実施マニュアルが公開される予定です。
モデル地域としてすでに事業を試行的に実施している地域もあります。
(北海道、埼玉県、岐阜県、鳥取県、鹿児島県、沖縄県)
特定相談支援事業者との連携も非常に重要な事業であり就労選択支援事業の円滑なスタートのためにも、厚生労働省による先行事例の公表を待つ必要があります。
広島で就労選択支援事業の開設をご希望される事業者様は行政書士事務所つしまにご相談ください。法令の理解や要件の把握、書類作成は弊所に任せて、その分事業開始の準備に尽力することができます。