5分でわかる保育所等訪問支援


障害児通所支援サービスのひとつである「保育所等訪問支援」は児童発達支援事業・放課後等デイサービスに比べて認知度はまだ低いですが、障害をもつ児童が集団生活を送りやすくなるように必要な支援です。

  

今回はその保育所等訪問支援について広島の障害福祉サービス事業専門の行政書士がご案内します。


保育所等訪問支援とは


保育所等訪問支援は、障害をもつ児童たちが社会とのつながりを持ち、集団生活に適応しやすくするため障害児通所支援サービスのひとつとして平成24年に創設されました。障害をもつ児童が保育所や学校で適切なサポートを受けられるよう、個別のニーズに応じた支援を提供することを目的としています。

 

専門知識を持った支援員が保育所等を訪問し、児童の観察・困りごと・原因の分析を行い、児童本人への支援はもちろんのこと、訪問先の職員にも障害の特性や対応方法等への理解を働きかけながら、その児童が集団生活の中で過ごしやすくなるようサポートを行います。

 

日中、ご自身のお子様が集団生活でどう過ごしているのかを知りたい、サポートをして欲しいと考えている親御様が多い中、これから需要が高まる事業であるといえます。


訪問できる施設 


支援員が訪問できる施設は保育所、認定こども園、幼稚園、小学校、特別支援学校、乳児院、児童養護施設、その他児童が集団生活を営む施設(フリースクール、放課後等児童クラブなど)として自治体が認めたものとなります。

 

これらの施設側の保育所等訪問支援の認知も低いのが現状です。


サービスを利用できる児童


サービスを利用できるのは保育所等の施設に通う身体に障害をもつ児童、知的に障害をもつ児童、精神に障害をもつ児童が対象ではありますが、障害者手帳の有無は問われません。 

 

利用回数は月12回程度(所要平均1時間程度)です。


基本報酬


1日につき1,071単位となります。

*30分以上の訪問であること。

 

1単位の単価は10.0円~11.24円と開設する地域で単価に幅があります。

 

広島市の地域区分は5級地(10.62円)ですので、広島市で保育所等訪問支援を運営する場合、1回の基本報酬は1,071単位×10.62円=11,374円となります。

 

また、このうち給付決定保護者が負担する金額は1割となります。ただし、35歳児は幼児教育・保育無償化施策が適用るため、この間のされ利用者負担額は無料となります。


保育所等訪問支援をはじめるには


保育所等訪問支援をはじめるには行政の指定を受ける必要があります。

 

指定を受けるための大きな要件は以下の3つです。

 

1.法人格を有すること

2.人員を揃えること

3.設備の基準を満たすこと

 

1.法人格を有すること

 

児童福祉サービス事業の指定(許可)を受けるには運営主体は法人である必要があります。そして保育所等訪問支援は障害児通所支援事業のひとつなので、法人の定款目的には「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」の記載が必要です。

 

2.人員を揃えること

 

保育所等訪問支援をはじめるために必要な人員は以下の3つとなります。

 

・管理者

・児童発達支援管理責任者

・訪問支援員(常勤専従要件無し)

 

≪兼務できる職種≫

・管理者と児童発達支援管理責任者

・管理者と訪問支援員

・児童発達支援管理責任者と訪問支援員

 

≪兼務ができない職種≫

・管理者と児童発達支援管理責任者と訪問支援員の3兼務

  

そして訪問支援員に求められる資格は以下の通りです。

 

・児童指導員任用資格
・保育士
・作業療法士
・理学療法士
・言語聴覚士
・心理指導担当職員など

 

実務経験(児童福祉事業での従事経験や一定の勤務期間)も求める指定権者もいるため、実務要件は必ず確認しましょう。

 

3.設備の基準を満たすこと

 

保育所等訪問支援をはじめるために必要な主な設備は以下の3つとなります。

 

・事務室

・相談室

・トイレ、洗面所

  

児童発達支援事業など他の事業との共有も可能ですが、同じ事務所内でもしっかりとした区分けを求める指定権者もいるため、既に児童発達支援事業などを運営されている事業者様は同事業所で追加で指定を受ける場合は指定権者へ確認しましょう。


さいごに


人員・運営・報酬に関する基準がよくわからない、届出に手が回らないなどサポートを必要とされている事業者さまは広島の障害福祉サービス専門行政書士事務所つしままでご相談ください。